第52回:阪急バス長岡京線 友岡バス停移設と経路変更

2014年6月8日(日)

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 2014年5月28日(水)の始発より、阪急バス長岡京線の友岡バス停移設と経路変更が実施されました。新旧の停留所と経路を比較しつつレポートします。


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友岡バス停付近

 阪急バス友岡バス停は、阪急西山天王山と花山住宅前の間に位置し、阪急バス長岡京線の主要系統である金ヶ原循環(1・3系統)やJR山崎系統など(80系統・82系統)が経由します。写真の左端に写っているカバーをかけられた標柱が移設前の停留所で、交差点を過ぎた向こう側(歩行者信号の右下奥)に小さく写っているのが現在の停留所です。

 現在は支線のようになっている手前の道路は、以前は奥の道路へとまっすぐつながっていました。左へそれていく道路は、京都縦貫自動車道の長岡京インターチェンジへのアクセスのために近年通されたもので、その開設直前に付け替えられ、新たにこの交差点(友岡西山)が設置されました。

 その時点ではバス停は元の位置のままだったこともあって、阪急バスのルートは変更されませんでしたが、交差点に近い上に十分なスペースがない(南行きは、急カーブ上に停車した状態での客扱いとなる)旧停留所は、しばしば車の流れを滞らせる原因になっていました。今回のバス停移設とルート変更で、その解消と路線バス自体の運行がスムーズになることが期待されます。


旧停留所

 以前は奥の道路とまっすぐつながっていた旧道は、新道の設置を前提にこの付近から南側は拡幅されないままとなっており、また沿道の商業施設への車の出入りが交錯するポイントだったこともあって、頻繁に渋滞が発生していました。ちょうどその付近に旧停留所があったことで、路線バスが渋滞を発生させる原因にも、渋滞に巻き込まれる原因にもなっていました。

 新道の開通で、道路そのものに起因する渋滞は解消されたことで、旧停留所が付近の交通の障害となり得る要因として残った形になっていました。特に左の写真の右側に見えている南行き(阪急西山天王山方面)の停留所が問題で、路線バスの後に続く車が交差点を跨いで停まってしまうケースが多く見られました。

 中央の写真は、旧停留所に掲出された移設のお知らせです。標柱にかけられたカバーの上に貼られています。

 右の写真は、末期の旧南行き停留所です。歩道が狭いため、標柱は車道に対して背を向けて設置されており、電柱に遮られて覗き込まないと見えない次の停留所は阪急西山天王山開業後も「八角/小倉橋」のままでした。ちなみにこの標柱は、友岡西山交差点設置時に10mほど南に移設されたもので、2014年6月4日(水)に確認した時には撤去済みでした。


新停留所

 広々とした片側2車線の道路上に、新停留所は設置されています。北行きと南行きがほぼ対面に設置されており、左の写真の左側に写っているのが南行き停留所です。右側に写っている縁石のうち白くなっている部分が、北行き停留所設置に伴って段差解消が図られた部分です。街路樹の葉の隙間から、標柱上部の円板部分に書かれた停留所名がわずかに見えています。路面をよく見ると、旧道方面に直進していた時代の道路標示の痕跡がまだ残っていることがわかります。

 中央の写真は、新停留所に掲出された移転のお知らせです。旧停留所のものとは若干異なります。

 右の写真は、現在の南行き停留所です。標柱上部の円板部分は枠の無いタイプになり、次の停留所はもちろん阪急西山天王山となっています。段差解消のために縁石のうち2か所が高さの低いものと交換されましたが、その間隔はノンステップ車など前中扉の車両に合わせたものとなっています。ちなみに、現在阪急バス長岡京線では、前後扉の車両も、方向幕の車両も、まだまだ多数走っています。


経路変更

 西山天王山駅開業や友岡バス停移設に伴って、付近を経由する金ヶ原循環(1・3系統)の経路がその都度変更されています。ここでは、そのうち反時計回りに循環する3系統で経路の変化を紹介します。対になる時計回りの1系統は、3系統と同一経路を逆向きに辿ります。


2013年12月20日(金)まで

 西山天王山駅や京都縦貫自動車道およびその側道の建設前はこの交差点(西山天王山駅前)はなく、線路の西側を並行する道路は、線路と田畑に挟まれて地平を走る片側1車線の道路でした。その道路を小倉橋から友岡へ向けて走っていた3系統は、周囲の状況が一変してもそのまま線路沿いを直進していました。写真は、西山天王山駅開業の数日前のもので、道路を跨ぐ線路が通る橋桁に「阪急京都線→」の表示(青いもの)がありません。


2013年12月21日(土)〜2014年5月27日(火)

 西山天王山駅の開業に伴って、付近を走る路線バスの東口駅前広場への乗り入れが開始されました。3系統も、線路をアンダーパスする新設された道路を通ってそちらへと寄り道する経路に変更されました。写真は、元の経路から右折で一旦外れて(左)、西山天王山駅前に寄ったのち、右折で戻ってくるところ(右)です。


2014年5月28日(水)以降

 友岡バス停の移設とそれに伴う経路変更によって、阪急西山天王山から友岡へ向かう3系統は、西山天王山駅前交差点を右折せず、直進するようになりました。西山天王山駅開業前の経路とは直交していることになります。

 京都縦貫自動車道のランプとの立体交差を経た先の長岡京I.C交差点で右折します。高速長岡京経由の高速バスもこの交差点を通過するため、タイミング次第でこれまで見れらなかった路線バスと高速バスの顔合わせが実現するかもしれません。

 この交差点では、インターチェンジを出て入り直す車や、インターチェンジから一般道(あるいはその逆)へ移る車が、交差点内で転回するケースがよく見られ、注意を要します。路面にも、転回した車のタイヤの跡が残っています。ニーズがあるのに対応できていない道路側の構造上の問題という側面もあり、大きな事故が起こらないうちの対応が求められます。

 長岡京I.C交差点と友岡西山交差点の間で、1系統と3系統がすれ違うところです。旧道がバス停付近以外に歩道がない片側1車線だったのに対して、こちらは歩道付き片側2車線となっており、経路としては大回りになりましたが、路線バスの走行環境は大きく改善されました。


 もっと金ヶ原循環の便数が多かった頃に、運行上のネックの一つとなっていたこの区間の改良が実施されていればという印象は拭えないものの、一方で金ヶ原循環の便数に大きな影響を及ぼした西山天王山駅と半ばセットで整備されたこの付近の京都縦貫自動車道の開通がもたらした周辺地域への道路整備の恩恵という側面を考えると、失ったものに対する数少ない得たものだったのかという気もしてきます。

 また、西山天王山駅開業時に経路変更が実施された奥海印寺循環(8・9系統)と異なり、金ヶ原循環が約5ヵ月遅れての経路変更となったのは、その途中に停留所を含むかどうかの違いであることは想像に難くなく、停留所の設置や移設のむずかしさもまた路線バスの厳しい現状の一つなのだろうと改めて感じました。


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