2004年10月9日(土)初出
2004年8月1日のPiTaPa(ピタパ)サービス開始後、京阪線で徐々に増えつつあるPiTaPa専用自動改札機。既設の西三荘・門真市・古川橋・大和田に続いて、2004年10月上旬には淀屋橋・守口市・枚方市・樟葉にも設置される予定となっています(くらしのなかの京阪2004年10月号より)。そのうち、寄る機会があった枚方市には既に設置されていましたので、レポートします。
(その後、阪急にも登場しました。新京阪レポート第16回で取り上げております)
京阪枚方市駅中央口には、写真奥から順に1〜14号機まで、14台の自動改札機が設置されています。そのうち、改札機正面が青白く光っている2台の改札機、6号機と12号機がPiTaPa専用自動改札機です。それぞれ床と天井に、その旨が示されています。
その他の自動改札機については、2号機と3号機が検知バーが目立つ旧型機。この2台のみがPiTaPa非対応で、なおかつ磁気化券二枚一括投入もできません。9号機が出場側磁気化券二枚一括投入が可能な、幅広通路型改札機。扉部分の本体が突き出しているので、それとわかります。PiTaPa対応です。それ以外の改札機は、一般的な通路幅の出場側磁気化券二枚一括投入が可能な自動改札機です。これらも、PiTaPa対応です。
一番奥に見えている、オープンカウンターが設置されたガラス張りのスペースは、「けいはんインフォステーション」と名付けられた有人改札兼案内所です。営業時間は「8:00〜20:00」となっていました。
隣接する自動改札機と比較して、全長は短く、シンプルな外観です。磁気化券の投入口が無いぶん、ICカードリーダライタが低めの位置に設置されています。くらしのなかの京阪2004年10月号によると、「ICカードの読み取り部をタッチしやすい位置に配置した」とのこと。検知バーはありません。
向かって右側の筐体正面で青白く光っている部分が、非常に目立ちます。左側の筐体には、PiTaPaマークのステッカーが貼られていますが、磁気化券には対応していないため、「スルッとちゃん」が描かれたオレンジ色のシールは省略されています。右隣の改札機と比較してみてください。
床面の「PiTaPa専用」のステッカーは、このPiTaPa専用自動改札機が入出場両用であるため、改札内・改札外共に改札機に向かって貼られています。
磁気化券の投入口が無いため、ICカードリーダライタが手前のほうに設置されており、改札機とはデザイン的にも完全に一体化されています。手前の黒い部分には、反対方向に人が通過しているときに「×」と表示されます。
ICカードリーダライタには、「ピタッ!とふれてください」という注意書きと、「京阪マイレージPiTaPaカード」がデザインされています。背景の青い部分も、PiTaPaカードのデザインになっています。阪急のICカードリーダライタが、ICカード全般を対象にしたようなデザインであるのとは、対照的です。
ICカードリーダライタの向こう側にある黒い部分には、タッチ不良の際に、再タッチを促す表示が出ます。
一般的な自動改札機と同様、改札機の終端付近にディスプレイが設けられていますが、PiTaPa専用なので磁気化券の取出口はありません。その一方で、「万一判定エラーとなった時に明確に認識しやすいよう」(くらしのなかの京阪2004年10月号)、ドーム状の大型表示灯が設置されています。ここには多数の赤色LEDが埋め込まれていて、判定エラーとなった時に光るようです。
ディスプレイのすぐ上あたりに、「こども」などのランプが設置されています。小学生が使用できる「家族会員(キッズ)」カードで通過すると、こどもランプが点くものと思われますが、このランプは入場側にのみ設置されています。すぐ上の「ディスプレイと大型表示灯」の写真と見比べてみてください。
PiTaPa専用自動改札機で唯一の可動部だと思われるのが、このドアです。判定エラーが発生した場合に、閉じられます。一般的な自動改札機のものと比較して、特に違いはないようです。
PiTAPa専用自動改札機は、筐体の下半分が一部を残して空洞になっているようです。内部の機器のコンパクトさを強調しているようにも見えます。空洞部分にはガラスがはめ込まれ、内部には蛍光灯が設置されています。
ちなみに、メーカーは「NIPPON SIGNAL(日本信号)」です。
PiTaPa専用自動改札機を撮影している約15分ほどの間に、入場・出場あわせて10人以上の利用がありました。逆に、PiTaPa自動改札機以外でのPiTaPaカードの利用は、全く見られませんでした。他の自動改札機を避けて、わざわざPiTaPa自動改札機を利用する人もいたほどです。
この10人以上という数字は、絶対数としては決して多くありませんが、現在のところ(2004年10月現在)阪急ではほとんどPiTaPaホルダーを見かけないことから、それよりは圧倒的に多い印象を持ちました。
また、そのときに見たPiTaPaホルダーのほとんどが子連れの主婦(と思しき人)だった点も、目を引きました。もちろん時間帯などによって利用者層に違いはあるでしょうが、特に子連れの人にとっては、切符やカードを買うために券売機に並んだり、あるいは財布からカードなどを取り出すこと自体が、敬遠したいことなのかもしれません。もっとも、財布からPiTaPaカードを取り出してタッチ&ゴーしている人がいなかったわけではありませんが。
ただ一方で、磁気化券をPiTaPa専用自動改札機に投入しようとする人が、それ以上に多く見られました。見ていて気の毒に思いましたが、乗客側が慣れてくれば次第に解消することだろうとも思いました。