曇りでもない。快晴でもない。空は薄い雲に覆われ、線路には薄い影が落ちる。はっきりしない天気に、近くの摩耶山もかすむ。
カーブの向こうから姿をあらわした特急は、少し減速しながら走り去っていく。この先にあるカーブのためか、前を行く列車に近づいたためか。かつての新車も、今ではベテラン。走り去ったあとには、その足跡を残すかのように、モーターの焼けた匂いがただよう。
[阪急3000系(3033)特急 新開地ゆき]
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