U.R.L. 2005年8月22日(月)初出
自動改札機・自動券売機に続いて、自動精算機にもICカード対応のものが登場しました。このレポートで取り上げるのは、西宮北口に設置されているものです。
西宮北口の北改札内に設置された、ICカード対応の新型自動精算機です。形状は、PiTaPa情報照会機能つき券売機と酷似しています。
足元の部分は、右の写真のようにさらに一段くぼんでいます。車椅子利用者への対応だと思われます。
上部パネルは、のりこし精算機用のものが取り付けられていますが、ICカード対応を示す2ヶ所の青ランプや、稼動状態にあるときに点灯する「取扱中」(券売機では「発売中」)の文字の位置は、PiTaPa情報照会機能つき券売機の上部パネルと一致しています。
高額紙幣対応が大きくアピールされていますが、2000円札には非対応のようです。
簡易改札機以外の阪急のICカード対応駅務機器に共通して見られるカメラ(参考:券売機・新型改札機・PiTaPa専用改札機)は、左の写真のように、この精算機にも設置されています。
少しわかりにくいですが、右の写真では、2ヶ所の青ランプの間に、紺色のシールで隠されている部分があるのがわかります。現時点では、まだこの精算機で提供されていない機能がある可能性を感じさせます。
タッチパネルはPiTaPa情報照会機能つき券売機のタッチパネルと同じですが、押しボタンの数は異なります。現時点では、精算機に設置された押しボタンには、機能が割り当てられていません。
人が近づくと、左の写真のような画面が表示されます。図を使った視覚的な説明は、このようなディスプレイならではです。PiTaPaカードの情報照会も可能ですが、PiTaPa情報照会機能つき券売機のタッチパネル右上に表示されている「PiTaPa情報照会」というボタンが、この精算機では「ICカード情報照会」に変更されています。
何らかの事情で精算機が利用できない場合は、右の写真のように「取扱中止 Out Of Service」という画面が表示されます。
PiTaPa情報照会機能つき券売機と、全くといっていいほど同じ構成ですが、PiTaPa情報照会機能つき券売機の投入口では、金銭や金額情報を先に投入する性格上、「カード」と「紙幣」のところの赤ランプが点灯していたのに対して、この精算機では、乗車情報が入力された乗車券を先に投入する性格上、「カード・定期券」と「きっぷ・回数券」のところのそれが点灯しています。
この部分で一つ問題なのは、回数券カードを投入して精算したい場合に、「カード・定期券」「きっぷ・回数券」のどちらに投入すればいいのか、はっきりしないことです。タッチパネルの説明でも、投入口脇のイラストでも、回数券カードについては全く触れられておらず、説明不足だと感じます。ICカードの利用履歴をプリントアウトしたものが排出されるためにそうなっているのだと思われますが、「きっぷ・回数券」の投入口の幅が、回数券カードに対応していると思わせるだけのものであるだけに、なおさらです。
こちらも、PiTaPa情報照会機能つき券売機の投入口と全く同じ構成です。ただ、硬貨の投入口については、PiTaPa情報照会機能つき券売機では投入可能な状態が基本なのに対して、この精算機では利用区間の運賃に満たない乗車券が投入されるまでは投入できない状態となっています。
これまで取り上げてきたICカード対応自動精算機の左横に設置されていた、初代の自動精算機です。2004年11月1日から一般への流通が始まった新札には対応していますが、高額紙幣には対応していません。
ここには、通常「のりこし精算 乗車券をお入れください」と表示されており、利用区間の運賃に満たない乗車券が投入されると、不足金額の表示に切り替わります。
同タイプの券売機では各種ボタンが所狭しと並べられている部分では、精算の流れが説明されています。
初代の自動精算機でも、回数券カードについては特に説明されていませんが、「きっぷ・回数券」の投入口が明らかに回数券カードを受け付けない幅であることから、「カード・定期券・1000円札」の方に投入することがわかります。
今津線は、今津〜西宮北口間と西宮北口〜宝塚間に分断された状態になっているため、西宮北口では本線をはさんで乗り場が分かれており、西宮北口の今津方面ゆきホームへの案内には、このホームから宝塚方面へは向かえないことが、大きく説明されています。
小林と宝塚南口以外の今津(北)線全駅に加えて、さらに宝塚を越えて宝塚線の清荒神と中山の文字まで見えるあたり、日頃から阪急に乗り慣れている人以外を中心に、相当数の誤乗車があるのではないかと思わせます。「今津線」という路線名が、そうさせるのでしょうか。