U.R.L. 2007年12月3日(月)初出
2007年秋の行楽シーズンには、11月23(金・祝)〜25日(日)の3日間にわたって臨時ダイヤが実施されました。その初日の利用状況を、各列車・各車両の乗車率を連写画像を合成することで視覚化したものを使用して、レポートします。
調査日は2007年11月23日(金・祝)。気象庁の気象統計情報によると、京都(京都府南部)の天気は曇り時々雨のち晴れ、最高気温13.1℃、最低気温4.1℃。
撮影対象列車は、梅田を午前中(8時59分〜12時00分)に発車する河原町ゆき特急と臨時列車「快速 いい古都エクスプレス」、およびそれらと高槻市で接続する河原町ゆき準急と普通、計43列車。撮影場所は、阪急京都本線・長岡天神〜大山崎間の、ほぼ中間地点。ブラインドによって車内の様子が窺えなくなることを極力避けるため、逆光側からの撮影です。写真の向かって左側が河原町方面で、左側の車両を先頭に、列車は右から左へと走っています。
各項では、2〜3列車が一組となっています。これは、高槻市で準急または普通と接続を取る特急、または高槻市で普通と接続を取る快速いい古都エクスプレス・特急を組み合わせたもので、走ってきた順番どおりに掲載しています。
各列車の通過時刻は、河原町寄りの先頭車を写した際に、カメラ内の時計が記録した時刻です。全て撮影し終えた約12時間後に日本標準時と照合したところ、誤差は1秒以内でした。なお、このレポート内に掲載している列車の長岡天神発車時刻は、駅の時刻表によると、河原町ゆき特急は末尾0分、同じく快速は末尾1分、準急・普通は末尾4分です。
まだ余裕の見える車両はあるものの、既に混雑は始まっています。列車は、少し遅れています。
この準急は、茨木市で特急を待避しています。わずかに立ち客の姿が確認できます。
各車両とも、混雑が増したようです。列車は、遅れ気味です。
この普通は、通常の土休日ダイヤでも普通です。空いています。
1サイクル前の列車と比較すると、高槻市以東で各駅に停車する列車(準急・普通)の乗車率が下がった分、特急のそれが上がったようにも見えます。種別名による印象の差が反映されている可能性はありそうです。
この列車が、臨時列車としての快速の初発列車です。梅田から高槻市までは定期列車の準急のダイヤをそのままなぞり、高槻市から河原町までを増発列車として通勤特急・快速特急の停車駅で走ります。
特急の混雑には遠く及ばず、余裕があります。
2ドア車に見られる特徴的な混雑です。扉に押し付けられている乗客の姿も少なからず見られます。列車は、少し遅れています。
快速の後に来る普通は、準急が快速に置き換えられたことで高槻市以東で各駅に停車する列車が減るのを穴埋めする形で、普段は高槻市ゆきとして走っている列車が、臨時に河原町まで延長されているものです。空いています。
まだ部分的に余裕の見えるところもあります。列車に遅れはありません。
快速のサポートがないサイクルであることもあってか、1本前の普通より乗車率が上がっています。
梅田方の車両に混雑が見られるようになって来ました。
2ドア特急の混雑としては、大きな変化はありません。列車は、遅れています。
空いています。
徐々に混雑の度合いが上がってきているようです。列車に遅れはありません。
準急としての乗車率に大きな変化はありませんが、普通よりは乗っています。
快速としての乗車率に、大きな変化はありません。
2ドア特急としての混雑に、大きな変化はありません。列車は、遅れています。
20分前の普通より、やや乗客が増えたかなという印象です。
いよいよ混雑が本格化してきました。列車は、遅れ気味です。
準急としての乗車率に大きな変化はありませんが、普通より乗っている状態も続きます。
少し乗車率が上がったようです。
2ドア特急としては、少し乗車率が上がったようです。列車は、かなり遅れています。
河原町方2両が対向列車とすれ違っている最中で見づらくなっています。普通としては、少し乗車率が上がったようですが、準急ほどではありません。
全車すし詰めといってもいい状態です。列車は、少し遅れています。
準急としては、乗車率が上がっています。先行する特急の使用車種の違いに影響を受けている可能性もあります。
また少し乗車率が上がったようです。
2ドア特急としての混雑に大きな変化はありません。列車は、かなり遅れています。
普通としての乗車率は、若干上がっているようです。
車内に余裕はないようです。列車は、少し遅れています。
準急としての乗車率は、下がりました。
快速としての乗車率は、下がりました。ピークを越えたようです。
通路中央部にやや余裕が出てきたようにも見えます。列車は、遅れています。
普通としての乗車率は、下がりました。
車内に、少し余裕が戻ってきました。列車は、少し遅れています。
準急としての乗車率に、大きな変化はありません。
快速としての乗車率に、大きな変化はありません。この列車が、午前中最後の河原町ゆき快速です。
2ドア特急としての混雑に、大きな変化はありません。列車は、遅れています。
普通としての乗車率に、大きな変化はありません。
さらに車内に余裕が戻ってきました。列車は、遅れています。
準急としての乗車率に、大きな変化はありません。
快速の先行はありませんが、2ドア特急としての混雑に大きな変化はありません。列車は、かなり遅れています。
準急としての乗車率に、大きな変化はありません。
すし詰めといった様子では、全くなくなっています。列車に遅れはありません。
少し乗車率が下がりました。
梅田方の車両を中心に、通路中心部に余裕が見えます。列車は、かなり遅れています。
準急としての乗車率に、大きな変化はありません。
毎年、勤労感謝の日あたりが秋の行楽シーズンにおける人出のピークとなり、それに合わせるように臨時ダイヤが実施されますが、2007年も例年と同様でした。
今回の臨時ダイヤから、臨時列車が快速となり、桂などに停車するようになったことで、行楽シーズンに最も必要とされる駅に停車しないといったことはなくなりましたし、2ドア車と3ドア車の交互運転となった特急のうち、2ドア車に先行することから、そのサポートとしての役割が明確になりました。一方で、河原町ゆきの快速は長岡天神で2ドア特急を待避するため、積極的に利用される列車というよりは、混雑しすぎて乗り切れない2ドア特急への乗車をあきらめた結果として利用される列車となっており、臨時特急時代ほどではないものの乗車率はあまり上がっていません。
特急は、快速のサポートを受ける2ドア特急と、そうではない3ドア特急とに分かれました。しかし、そうであっても2ドア特急の混雑や遅延が大きく緩和されたわけではありませんでした。今回取り上げた特急17列車について、使用車種と通過時刻(30秒毎)をまとめると、下表のようになります。
通過時刻\車種 | 2ドア車 | 3ドア車 | ||
---|---|---|---|---|
クロス車 | ロング車 | |||
末尾7分 30〜59秒 | - | 1本 | 1本 | |
末尾8分 | 0〜29秒 | - | 2本 | 2本 |
30〜59秒 | 2本 | 1本 | 2本 | |
末尾9分 | 0〜29秒 | 3本 | - | 1本 |
30〜59秒 | 2本 | - | - | |
末尾0分 | 0〜29秒 | 1本 | - | - |
30〜59秒 | 1本 | - | - |
さすがに、行楽シーズンのピークを迎えた時期だけあって、3ドア車でも全くの遅れ無しとはいきませんが、それでも快速のサポートなしで多少の遅れ程度に収まっているのに対して、2ドア車は快速のサポートを受けてなお、かなり遅れていました。遅延防止に対する多扉化の有効性を改めて認識させられます。
他の乗車率レポート(第22回・第21回・第20回・第3回など)でも、特急の通過時刻をまとめていますので、あわせてご覧ください。
河原町10時52分発の、快速梅田ゆきです。これでも、臨時特急時代の「いい古都エクスプレス」よりはよく乗っています。