U.R.L. 2009年12月13日(日)初出
2009年秋の行楽シーズンの臨時ダイヤは、11月21日(土)・22日(日)・23日(月・祝)・28日(土)・29日(日)の計5日実施されました。そのうち、新京阪レポートではここ数年恒例となっている勤労感謝の日の利用状況(参考:2008年秋<第25回>・2007年秋<第23回>)を、各列車・各車両の乗車率を連写画像を合成することで視覚化したものを使用して、レポートします。
調査日は2009年11月23日(月・祝)。気象庁の気象統計情報によると、京都(京都府南部)の天気は曇りのち晴れ、最高気温15.9℃、最低気温6.4℃。
撮影対象列車は、梅田を主に午前中(8時59分〜12時00分)に発車する河原町ゆき特急と臨時列車「快速 いい古都エクスプレス」、およびそれらと高槻市で接続する河原町ゆき準急と普通、計45列車。撮影場所は、阪急京都本線・長岡天神〜大山崎間の、ほぼ中間地点。ブラインドによって車内の様子が窺えなくなることを極力避けるため、逆光側からの撮影です。写真の向かって左側が河原町方面で、左側の車両を先頭に、列車は右から左へと走っています。
各項では、2〜3列車が一組となっています。これは、高槻市で準急または普通と接続を取る特急、または高槻市で普通と接続を取る快速いい古都エクスプレス・特急を組み合わせたもので、走ってきた順番どおりに掲載しています。各列車の画像は2枚一組となっており、上段が河原町方より1〜4両目、下段が5両目以降です。
各列車の通過時刻は、河原町寄りの先頭車を写した際に、カメラ内の時計が記録した時刻です。全て撮影し終えた約45分後に日本標準時と照合したところ、誤差は1秒以内でした。
なお、このレポート内に掲載している列車の長岡天神発車時刻は、駅の時刻表によると、河原町ゆき特急は末尾0分、準急・普通は末尾4分です。
種別 | 車種 | 梅田発時刻 | |||||||||||||||||||
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8時 | 9時 | 10時 | 11時 | 12時 | |||||||||||||||||
特 急 | 2ドア車 | 20分 | 00分 | 00分 | 40分 | ||||||||||||||||
3ドア クロス車 |
30分 | 40分 | 50分 | 20分 | 30分 | 40分 | 10分 | 20分 | 30分 | 00分 | |||||||||||
3ドア ロング車 |
59分 | 10分 | 10分 | 50分 | 50分 | ||||||||||||||||
快 速 | 8連 | 33分 | 13分 | 33分 | 53分 | ||||||||||||||||
7連 | 13分 | 53分 | 13分 | ||||||||||||||||||
準 急 | 8連 | 55分 | 43分 | 03分 | 23分 | 33分 | |||||||||||||||
7連 | 23分 | 23分 | 43分 | 03分 | 43分 | 53分 | |||||||||||||||
普 通 | 8連 | 52分 | 16分 | 36分 | 16分 | 36分 | 56分 | ||||||||||||||
7連 | 02分 | 56分 |
例年、秋の行楽期には最も混雑する日となる勤労感謝の日も、2009年は全体としてそれほど激しい混雑とはなりませんでした。2007年改正時から秋に運転されている快速「いい古都エクスプレス」も、この3年で最も空いています。快速「いい古都エクスプレス」が先行しない特急の混雑を避けて、その特急との緩急接続後に高槻市を発車する準急へと流れる利用者も、全く無いわけではないと思われるものの、例年と比較してはるかに少なく、特急の混雑が際立ちました。
その特急は、9300系の増備にともなって、6300系の使用列車が激減しており、この日はこの時点で8連で残存している2編成が運転されるのみとなっています。
使用車種ごとの特急の通過時刻をまとめました。カッコ内の数字は、うち快速「いい古都エクスプレス」が先行する列車の本数です。
通過時刻\車種 | 2ドア車 | 3ドア車 | ||
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クロス車 | ロング車 | |||
末尾7分 30〜59秒 | - | 4本(1) | 3本 | |
末尾8分 | 0〜29秒 | 1本(1) | 4本(3) | 2本 |
30〜59秒 | 1本 | 2本 | - | |
末尾9分 | 0〜29秒 | 1本(1) | - | - |
30〜59秒 | 1本(1) | - | - |
2ドア車の本数が減っても、列車の通過時刻の傾向に変化はありません。この日については、快速「いい古都エクスプレス」が先行する場合、3ドアクロス車にはその効果が出ているように思われるのに対して、2ドア車ではその傾向は感じられません。遅れの幅が例年より縮小しているのは、今年の混雑がそれほどでもなかったことと、改良型ATS化の進展で実質的にダイヤの余裕が増したことによるものと思われますが、それでも分単位の遅れを解消できないあたりに、2ドア車の構造上の問題を感じます。
他の乗車率レポート(第26回・第25回・第23回・第22回・第21回・第20回・第3回など)でも、特急の通過時刻をまとめていますので、参考までにあわせてご覧ください。