第48回:京阪バス京都競馬場線レポート

2014年2月6日(木)

過去のレポートは、こちらをクリック

 土曜・日曜など京都競馬場での競馬開催日に、阪急やJRとの連絡用に京阪バスの臨時バスが運転されます。そのうち阪急との接続駅が、2014年2月1日(土)より、水無瀬から2013年12月21日(土)に開業した西山天王山に変更されました。このページでは、以前の阪急水無瀬〜京都競馬場、現在の阪急西山天王山〜京都競馬場の路線を中心にレポートします。

 なお、このページは「等幅フォント」でご覧いただくことをおすすめいたします。また、各写真をクリックすると、拡大したものが表示されます。


京阪バス 京都競馬場線 運行経路図

2014年1月26日(日)以前

       JR山崎━┓
阪急水無瀬━━━━━━┻━━━━┓
                ┃
              淀競馬場前

2014年2月1日(土)以降

             阪急西山天王山
       JR山崎━┓    ┃
           ┗━━━━┫
                ┃
              京都競馬場


阪急水無瀬

 阪急水無瀬駅は、ホームが高架上・改札口が地平にあり、改札を出て東口側へ向かうと線路沿いに駅前ロータリーがあります。その最も改札に近いところに阪急バス(若山台線)の停留所が2ヵ所あり、最も遠いところに京阪バス(淀競馬場線)の停留所が1ヵ所ありました。

 左の写真は、阪急バス1番のりばから見た駅前ロータリーの様子で、タクシー待機場の奥が京阪バスの乗り場、右側に停車している2台のバスがいる場所はバス待機場です。ロータリーへの車の出入口は右側の1ヵ所で、タクシー待機場の周囲を時計回りに1周回って、出口へ向かいます。バス待機場へは、京阪バスの乗り場を通過して進入し、出るときはタクシー待機場の周囲を再び1周します。

 右の写真は、阪急バス2番のりば付近から見た駅前ロータリーの様子で、客扱いを終えて発車した阪急バス若山台線(40系統)のバスが、京阪バスの乗り場の横を通過してロータリーの出口へ向かっているところです。バス待機場は、大型バス2台が並んで停まれるだけの幅しかないことがわかります。阪急バスは、このバス待機場を使用しません。


 駅前ロータリーは、阪急京都本線と並走する東海道新幹線と国道171号線の間に位置しており、駅から最も遠いところにある京阪バスの乗り場は、駅前ロータリーと国道171号線の両方に接する歩道上にありました。

 左の写真は、停車中の京阪バスです。バス停の柱に設置された「淀競馬場行」の標識は、阪急水無瀬発の運転時間帯のみ掲出されていました。また、その時間帯には、案内や運賃収受などのため係員が配置されていました。

 中央の写真は、乗客が来たところです。現金の場合、乗車前に地上の係員に運賃を前払いし、前扉から乗車します。これは、京都競馬場線の各乗り場共通です。運賃が大人260円だったため、釣銭用に大量の10円玉が用意されていました。また、阪急水無瀬の乗り場は吹きさらしで特に冬場は寒いため、石油ストーブが持ち込まれていました。

 右の写真は、後ろから見た京阪バスのバス停の様子です。バス1台分の長さに対応した金属製の屋根がかけられ、雨天時でもある程度の多客に対応できるようになっています。柵の切れ方や標柱の位置を見ると、前後扉の車両の後扉からの乗車に対応したもののようにも見え、前中扉の車両ばかりとなった現在では位置が合っていませんが、前扉からの乗車には支障はありませんでした。撮影時には、近い将来に西山天王山発に改められることを告知する「お知らせ」が立てられていました。


 左の写真は、国道171号線を挟んだ向かい側の歩道から見た、京阪バスの乗り場です。奥に阪急や新幹線の構造物が、右奥には阪急バスの乗り場(1番のりば)が見えています。阪急水無瀬発が運転される最終日に撮影したため、既に標柱は外されるなど、バス停としての機能を撤去する準備が進められていました。

 右の写真は、同じく向かい側の歩道から見た、京阪バスの乗り場です。左の写真とは撮影日が異なるため、まだ標柱は健在です。標柱と運賃箱に、近い将来に阪急西山天王山発に改められることを告知する「お知らせ」が掲出されていました。その日の阪急水無瀬発最終便は2台で運行されており、通常とは停車位置が異なっていました。


 左の写真は、阪急大山崎駅・阪急バス国道大山崎バス停付近の国道171号線を走る、淀競馬場前ゆきです。阪急水無瀬発の最終日の最終便で、この付近をこちら方向に営業運転する京阪バスは、このバスが最後となりました。阪急水無瀬ゆきとして運転後、待機していた2台のバスが、回送として後を追っていきました。

 中央の写真は、阪急バス・京阪シティバス新山崎橋バス停付近の国道171号線を走る、阪急水無瀬発の淀競馬場前ゆきです。新山崎橋バス停は、阪急バス大山崎営業所の最寄り停留所で、その脇を京阪バスが走っています。現在でもJR山崎発着便はこのあたりを走っていますが、阪急連絡の便は見納めになりました。

 右の写真は、国道171号線の勝竜寺交差点に差し掛かる、淀競馬場前ゆきです。ここを右折したところから先は、現在の阪急西山天王山発の便と同じルートとなります。阪急水無瀬発着便がなくなったことで、京都競馬場関連の臨時バスは大阪府内に乗り入れなくなりました。


阪急西山天王山

 阪急西山天王山駅は、ホームが盛土上にあり、改札口は地平の駅舎(東口)と河原町方面ゆきホーム上(西口)の計2ヵ所あります。バスのりばは、駅舎の改札を出たところにあります。

 左の写真は、駅舎の外観と駅前ロータリーの一部です。駅舎および駅前ロータリーの全体が京都縦貫自動車道の高架下にあるため、所々にその太い柱が立っています。柱の陰になっている部分がバスのりばで、駅舎とは至近距離にあります。2台見えるバスのうち右側が2番のりばに停車中、左側がバス待機場に転回中の、いずれも京阪バス京都競馬場線の車両です。複数台の京阪バスが西山天王山駅前で見られるのは、京都競馬場線の運転時間帯のみです。

 中央の写真は、駅舎の改札を出てすぐのところから見た、バスのりばの様子です。阪急バスが停車している場所が1番のりば、京阪バスが停車している場所が2番のりばです。京都競馬場ゆきは2番のりばから発車します。2番のりばは京都縦貫自動車道の柱の陰に隠れているためか、可搬式の案内板が持ち込まれていました。ちなみに定期路線バスでは、1番のりばにJR長岡京方面ゆきと西法寺方面ゆきが、2番のりばに新山崎橋ゆきと京阪淀駅ゆきが発着します。

 右の写真は、駅前ロータリーの車道を挟んだ向かい側から見た、バスのりばの様子です。阪急バスが停車している場所が1番のりば、京阪バスが停車している場所が2番のりばです。車道の分離帯が一部切れており、駅前ロータリーの構造上、降車扱いをしたのち直接それぞれの待機場へは入れないバスやタクシーが、場内を一周できるようになっています。


 左の写真は、2番のりばを発車した京都競馬場ゆきを、1番のりばから見たところです。阪急水無瀬とは異なり、京阪バス京都競馬場線専用の乗り場ではないため、定期路線バス優先で使用されます。そのため、京都競馬場線のバスの発車後すぐに後続の車両が来るとは限りません。

 中央の写真は、2番のりばに停車中の京都競馬場ゆきです。現金の場合、乗車前に地上の係員に運賃を前払いし、前扉から乗車します。運賃が200円(小児半額)となったため、10円玉の釣銭は用意されなくなったようです。また、石油ストーブも持ち込まれていませんでした。右端に見えているのは、下り高速バス停へのエレベーター建屋の入口です。

 右の写真は、2番のりばに停車中の京都競馬場ゆきを、後ろから見たところです。駅舎からバス停全体が京都縦貫自動車道の高架下に収まっており、乗り換えにあたって雨や強い日射しに悩まされることはほとんどありません。右端や左端に見えている縦長の窓が特徴的な建物は、上り・下りそれぞれの高速バス停へのエレベーター建屋です。


 左の写真は、折り返しの時間待ちをするバス待機場の様子です。余裕をもって2台停車できるスペースが割り当てられています。奥に見える2番のりばに停車中のバスは、京阪淀駅ゆきの京阪バス90系統で、阪急西山天王山〜京阪淀駅付近の経路は京都競馬場線と同一です。一本前の京都競馬場ゆきが発車したのち、この90系統の発着を待って、次の京都競馬場ゆきがバス待機場から2番のりばに向かいます。

 中央の写真は、バス待機場の背後で、京都競馬場から到着した便が降車扱いしているところです。この位置から直接バス待機場には入れないため、場内を一周回ります。ちなみに、阪急バスがこの位置で降車扱いすることはありません。また、阪急バスには阪急西山天王山で折り返す便がないため、稀に発車順の調整等で使われる以外、基本的にバス待機場が使用されることはありません。

 右の写真は、京都競馬場から到着した便が、一般車乗降場で降車扱いをしているところです。駅前ロータリーに入ってすぐの場所で、駅舎は駅前ロータリー出入口の横断歩道を渡ると目の前にあります。隣の写真で降車扱いをしているバスが停車している場所と同じです。乗車時に運賃は支払い済みのため、全ての扉を開いて短時間のうちに降車は完了します。


 左の写真は、駅前ロータリーの様子を、外部から見たところです。左に2台見えているバスがバス待機場に、右に1台見えているバスが2番のりばに、それぞれ停車中です。京都競馬場から到着したバスは、手前の左折レーンから駅前ロータリーに入り180度向きを変えたところ、この場所から見た真正面の位置にある一般車乗降場で降車扱いをします。駅前ロータリー出入口に配置されている京阪バスの係員は、降車客に対する案内と、駅前ロータリーから右折で出る京阪バスに対する誘導と交通整理を担当していました。

 中央の写真は、駅前ロータリーから右折で出ようとする京都競馬場ゆきです。一般車乗降場から駅舎へ向かう時に渡る横断歩道を横切っています。写真には写っていませんが、バスの右折をサポートするために、交通整理の係員が車道へ出ています。

 右の写真は、調子八角交差点を直進していく京都競馬場ゆきです。阪急西山天王山を出てすぐ東側にあるのが調子八角交差点で、このまま道なりに走り続けると京阪淀駅や京都競馬場に着きます。


京都競馬場付近にて

 京都競馬場は京阪淀駅に隣接しており、臨時線のバスは京阪淀駅バス停(北側のりば、かつての京阪淀バス停)の脇を通過していました。

 左の写真は、京阪淀駅バス停に停車中の京阪バス90系統と、その脇を通過する阪急水無瀬ゆきの淀競馬場線です。2013年12月21日(土)の90系統運行開始から、2014年1月26日(日)の阪急水無瀬ゆき廃止までの間の淀競馬場線運行日に、この場所でこの組み合わせが見られました。この90系統が誕生する契機となった西山天王山駅の開業が、淀競馬場線に大きな変化をもたらすことになります。ちなみに、京阪バスの前後LED装置には、通常の系統番号・経由・行先のほかに、始発バス停の停車中に限り発車時刻が表示されます。

 右の写真は、京阪淀駅バス停に停車中の京阪バス90系統と、その脇を通過する阪急西山天王山ゆきの京都競馬場線です。2014年2月8日(土)より京阪淀駅バス停が北側のりば・南側のりばを統合する形で駅前ターミナル内へ移設されるため、2014年2月1日(土)と2日(日)の2日間に限り、この場所でこの組み合わせが見られました。ちなみに、京阪バスの前後LED装置は、エンジン停止中は輝度が落とされます。


 淀競馬場線の末期には、車両の行先表示は方向幕・LEDともに「淀競馬場」と「京都競馬場」が混在していました。阪急西山天王山乗り入れ後、いずれも「淀競馬場」は見られなくなりました。ここでは、見られなくなった表示のうち、未掲載のものを取り上げます。

 左の写真は、方向幕の「阪急水無瀬駅〜淀競馬場」です。「淀競馬場」との組み合わせの時は、LEDも含めて阪急水無瀬に「駅」が付けられていました。

 中央の写真は、方向幕の「JR山崎〜淀競馬場」です。JR山崎には、「京都競馬場」との組み合わせの時も含めて、「駅」は付けられていませんでした。

 右の写真は、LEDの「JR山崎〜淀競馬場」です。LEDでも同様に、「駅」は付けられていませんでした。


過去のレポート

最新の新京阪レポートは、こちらから