2014年3月9日(日)
2013年12月21日(土)に阪急京都本線に西山天王山駅が開業したのを機に、阪急バス京都地区(長岡京線)では、一部系統の再編とダイヤ改正が実施されました。また、交差する京都縦貫自動車道には高速バス停が設置されました。今回のレポートでは、それらに関連して、長岡京市内を走る主に阪急バスについて、新旧の比較を交えながら取り上げます。
なお、このページは「等幅フォント」でご覧いただくことをおすすめいたします。公式の運行系統図は阪急バスの公式サイト(>路線バス情報>路線図から選択)からpdf形式のものを入手可能です。
阪急東向日━JR向日町━中久世━下久世━殿城町
┃ ┃
旭が丘ホーム前━向日が丘支援学校前 辰巳━向日市役所前━向日台団地前 東土川
┃ ┃ ┃ ┃
光明寺 長岡第二中学校前━あかね━今里 滝ノ町 簡易裁判所前
┃ ┃ ┃ ┃ ┃
上長法寺━長法寺 薬師堂 保健センター前 植野━向日町郵便局前 清水
┃ ┃ ┃ ┃ ┃
美竹台住宅前━光風台住宅前 ┃ 舞塚 柴の里━一文橋━堂ノ前━池ノ尻━菱川
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
┃ 済生会病院━東台 文化センター前 ┃ 見場走り━━━━━馬場━工業団地前━樋爪口
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ↑ ┃
上ノ町━明神前━太鼓山━西陣町━開田━阪急長岡天神━長岡京市役所前━一里塚 JR長岡京東口━芝本 免許試験場前
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
奥海印寺━海印寺━梅ヶ丘 長岡天満宮前←阪急長岡天神南←JR駅前通り━JR長岡京 ┃ ┃
┃ ┃ ↓ ↑ ┃ ┃
金ヶ原口 花山住宅前━友岡 東浦━清水ヶ口 勝竜寺城公園前 ┃
┃ ┃ ┃ ┃ ┃
金ヶ原中━金ヶ原 阪急西山天王山 大門橋 城の里━━神足
┃ ┃ ↑ ┃ ┃ ┃
第二大山崎小学校前━円明寺ヶ丘━小倉橋 小泉橋 調子━久貝━落合橋╋洛西浄化センター━大下津
↓ ↑ ↑ ┃ ┃ ┃
JR山崎 自治会館前→西法寺 │ 小畑橋 京阪淀駅
┃ ↓ │ ┃
阪急大山崎━高橋━山崎聖天前━大山崎町役場前━円明寺 新山崎橋━大山崎町体育館前
金ヶ原循環は、阪急バス長岡京線を代表する系統で、改正後も最多便数を誇りますが、経路上に西山天王山駅が開業し、一部のバス停がその徒歩圏に入ったため、今回の改正で大幅に減便されました。一方、友岡と小倉橋の間で西山天王山駅の東口駅前広場(阪急西山天王山)へと乗り入れるよう部分的に経路変更が行なわれ、阪急長岡天神・JR長岡京とあわせて鉄道連絡の便が強化されています。また、JR長岡京以東の連続運転区間が美竹台・光風台循環と入れ替えられ、菱川経由でJR長岡京東口との間を結ぶようになりました。
系統番号は循環方向に応じて1・3を継承していますが、JR長岡京以東へと連続運転する便の循環区間内での系統番号変更が行なわれなくなり、開田から先で連続運転区間の系統番号である49に変更されるのみとなりました。
1系統と3系統は交互に運転され、大半がJR長岡京発着、一部が菱川方面との間の連続運転となります。JR長岡京東口発着のほかに、馬場始発と菱川終着があります。また、新設された阪急西山天王山では、始発の1系統と終着の3系統が設定されています。
┌───────────────────────────┬─────────←3─┐ ┌←53
│┌────────────────────────←43┤ └────────┴───←3
││┌───────────────────────←59┘
│││
│││ ┌─────────────────────────────────────┐ ┌→59
│││ │┌───────────────────────48→──────────┐└───────┘
│││ ││┌─────────────────→1────────────→1 └────────────→48
│││ │││
││↓ ││↑円明寺ヶ丘━金ヶ原━海印寺━梅ヶ丘━西陣町━開田━阪急長岡天神━JR長岡京 JR長岡京東口
│↓│ │↑│ ┃ ┃ ┃ ┃
↓││ ↑││ 小倉橋━━━━━━━━━友岡━長岡天満宮前 東浦━八角━調子━久貝━新山崎橋
│││ │││
│││ ││└─────────────────────┬─────────←1─┐ ┌←51
│││ │└────────────────────←41┤ └────────┴───←1
│││ └─────────────────────←59┘
│││
││└───────────────────────────────────────┐ ┌→59
│└────────────────────────────48→─────────┐└───────┘
└─────────────────────────────────────→3 └────────────→48
┌────────────────────────────────←3───────←3─←3
│ ┌49→─────────────→49────→49
│┌─────────────────────┴─────────→1
││ 一文橋━菱川━馬場
││ ┃ ┃
││円明寺ヶ丘━金ヶ原━海印寺━梅ヶ丘━西陣町━開田━阪急長岡天神━JR長岡京 JR長岡京東口
↓↑ ┃ ┃
││ 小倉橋━阪急西山天王山━友岡━長岡天満宮前
││ ┌───────←1───────←1─←1
│└─────←1────────────────┘┌──────→3
└──────→3─────────────────┘
美竹台・光風台循環は、JR長岡京以東の連続運転区間が金ヶ原循環と入れ替えられ、久貝経由で新山崎橋との間を結ぶようになりました。その区間内で部分的に経路変更が行なわれ、西山天王山駅の東口駅前広場(阪急西山天王山)へと乗り入れる一方で、それに代替された八角が廃止されました。
系統番号は循環方向や経路に応じて5・6・7を継承していますが、JR長岡京以東へと連続運転する便の循環区間内での系統番号変更が行なわれなくなり、開田から先で連続運転区間の系統番号である48に変更されるのみとなりました。
5系統は朝、7系統は昼間、6系統は夕方以降に運転され、半数強がJR長岡京発着、それ以外が新山崎橋方面との間の連続運転となります。一部に西陣町止まりの便があります。7系統を中心に増便されています。
┌──────────────────┬←5──────────←5──────────←5
│┌───────────────←45┘
││
││ ┌───────────────────49→───────────────────→49
││ │┌───────────────────────────→7
││ ││
││ ││ ┌────────────────49→───────────────────→49
││ ││ │┌────────────→6──────────→6
││ ││ ││
││ ││ ││美竹台住宅前━光風台住宅前
││ │↑ │↑ ┃ ┃
│↓ ↑│ ↑│ ┃ 済生会病院━東台 一文橋━菱川━馬場
↓│ ││ ││ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
││ ││ ││ 明神前━太鼓山━━━西陣町━開田━阪急長岡天神━JR長岡京 JR長岡京東口
││ ││ ││
││ ││ │└─済生会病院経由─┬─┐
││ ││ └─済生会病院経由←47┘ └────────────←7──────────←7
││ ││
││ │└───────────┬───────────────←6──────────←6
││ └──────────←46┘
││
│└─────────────────────49→───────────────────→49
└───────────────────────────────→5
┌──────────────┐
│ └────────────←5←─────────────────←5
│ ┌────────────┐
│ │ └→6┬─────────→6
│ │┌───────────┐ └48→───────────────────────────→48
│ ││ └──┬─────────→7
│ ││ └48→───────────────────────────→48
│ ││美竹台住宅前━光風台住宅前
│ ││ ┃ ┃
↓ │↑ ┃ 済生会病院━東台
│ ↑│ ┃ ┃ ┃
│ ││ 明神前━太鼓山━━━西陣町━開田━阪急長岡天神━JR長岡京
│ ││ ┃
│ ││ 東浦━阪急西山天王山━調子━久貝━新山崎橋
│ ││ ┌済生会病院経由┐
│ │└───┘ └────────────←7──────────────────←7
│ └─────────────────────────←6──────────────────←6
│
└───────────────────────────→5
奥海印寺循環は、奥海印寺〜海印寺間で一部ルートが改められたほかは、運転区間・バス停位置・系統番号ともに変更されていません。発着時刻は変更されましたが、便数は維持されました。14時を境に、それ以前にJR長岡京を出る便は8系統、以後は9系統として運転されます。
┌──────────────┐
│┌────────────┐└───────←8
││ └────────→9
││ 済生会病院━東台
││ ┃ ┃
││ 明神前━太鼓山 西陣町━阪急長岡天神━JR長岡京
↓↑ ┃ ┃
││ 奥海印寺━海印寺━梅ヶ丘
││ ┌───────←9
│└─────────────┘┌──────→8
└───────────────┘
今里循環は、運転区間・経路・系統番号ともに変更されていません。ただし、便数は半減されました。15時を境に、それ以前にJR長岡京を出る便は10系統、以後は11系統として運転されます。
┌─────────────┐
│┌───────────┐└←10
││ └─→11
││ 薬師堂━今里━一文橋
↓↑ ┃ ┃
││ 阪急長岡天神━一里塚━JR長岡京
││
│└─────────────←11
└──────────────→10
光明寺循環は、運行区間・経路・系統番号ともに変更されていません。発着時刻は変更されましたが、便数は維持されました。15時を境に、それ以前にJR長岡京をを出る便は20系統、以後は22系統として運転されるのが基本ですが、それぞれ4本に1本の割合で循環方向が逆の便が運転されるようになりました。
┌────────←20──────┐
│┌──────────────┐└──←20
││ └───→22
││光明寺━薬師堂━舞塚━文化センター前
↓↑ ┃ ┃
││ 東台━西陣町━開田━阪急長岡天神━JR長岡京
││
│└──────────────────←22
└───────────────────→20
出入庫系統は、運行区間・経路・系統番号ともに変更されていません。JR長岡京東口発着の各系統(改正前は金ヶ原循環と美竹台・光風台循環、改正後は金ヶ原循環と免許試験場系統)の出入庫を兼ねているため、ダイヤや便数はその影響を大きく受けています。
52→───────────────────────────→52
52←───────────────────────────←52
JR長岡京東口━芝本━神足━城の里━小畑橋━大山崎町体育館前━新山崎橋
┃ ┃
勝竜寺城公園前━大門橋━落合橋
19→─┐ ┌─────────→19
19←┐└───────────────┘┌────────←19
└─────────────────┘
免許試験場系統は、西法寺循環との連続運転が解消され、独立した系統に戻りました。それに伴い、複雑だった経路や系統番号も整理されています。西法寺方面は、JR山崎系統の経路変更と82系統の新設で対応しています。
JR長岡京東口ゆきのみの片道運転だった17系統は、往復運転に変更され、増便されました。新設された免許試験場前ゆきは、経路上に既設の停留所がない馬場には停車しません。
┌──────────────────────────────────────────→12
│
│┌───────→16 ┌──────────────────────────←14
││ ↓ ┌─────────────────────←15
┌┼┼←─────────────┼┐ │┌────────────────────←16
│↑↑ │↑ ││
│││ 開田━━阪急長岡天神┿┿一里塚┿┿見場走り━━━馬場━工業団地前━樋爪口━免許試験場前
│││ ┃ ││ ┃ ││ ┃
│││長岡天満宮前 ↓└─╂─┘│ ┃
↓││ ┣━━阪急長岡天神南┿JR長岡京 │ JR長岡京東口━芝本
││└────╂─────────┼←╂───┘ ┌─────────←17
│└─────╂─────────┼─╂←12┐ 17←───┘
│ ┌────╂─────────┘ ┃ │
├┐│ ┃ ┃ │
│13┘ 花山住宅前 東浦 │
│↓ ┃ ┃ │
││ 友岡 八角 │
││ ┃ ┃ │
││ 小倉橋 小泉橋 │15
││ ┃ ┃ │↑
││ 円明寺ヶ丘━自治会館前━西法寺 ││
││ ││
│└────────────────────┘│
└──────────────────────┘
┌─────────────────────────────────────────→12
│ ┌─────────────────────←12
│ │
│ 開田━━阪急長岡天神━━一里塚┿━見場走り━━━馬場━工業団地前━樋爪口━免許試験場前
↑ ┃ ┃ │ ┃
│長岡天満宮前━阪急長岡天神南━JR長岡京│ JR長岡京東口━芝本
│ │ ┌─────────→17
└───────────────────┘ 17→───┘┌────────←17
17←────┘
国道系統は、運行区間・経路・系統番号ともに変更されていません。発着時刻は変更されましたが、便数は維持されました。
長岡京線のうち、大山崎営業所の担当だった他の全ての系統で、方向幕やLED表示のデザインが一新されたのに対して、向日出張所が継続して担当するこの系統は変更されませんでした。
┌───────────────────────────────────→77
│
│ 開田━━阪急長岡天神━━一里塚━一文橋━菱川━下久世━JR向日町━阪急東向日
│ ┃ ┃
│長岡天満宮前━阪急長岡天神南━JR長岡京
│ ┌───────────────←77
└───────────────────┘
JR山崎系統は、大半を占めていた滝ノ町折り返しの81系統が設定されなくなり、80系統に統合されました。また、西山天王山駅の東口駅前広場(阪急西山天王山)への乗り入れに伴って八角が廃止になり、JR山崎ゆきのみ阪急西山天王山と円明寺の間で小泉橋経由から西法寺経由へと変更されました。滝ノ町一丁目は、81系統の運行開始時に滝ノ町の阪急東向日方面ゆき停留所のみ名称変更していたもので、今回の改正で元の名称に復帰しています。経路の一部に狭隘区間を含むこの系統で使用される車両は、改正前と同様マイクロバスに限定されています。
82系統は、免許試験場系統から分離された西法寺循環を代替し、経路が一部で重複する80系統や金ヶ原循環を補完する系統です。主に午前に円明寺ヶ丘発が、午後に小泉橋ゆきが運転されます。
┌─────────┐
│┌───────┐│
80→────────────────────────────────────────┘│ │└→80
81→─────────────81→──────────────────────────┘ 滝ノ町一丁目│
┃ ┃│
JR山崎━阪急大山崎━円明寺━小泉橋━八角━友岡━阪急長岡天神━JR長岡京━一文橋━向日町郵便局前━滝ノ町┻┿阪急東向日
│
81←─────────────81←──────────────────────────────────┘
80←────────────────────────────────────←80
┌────────────────┐
│┌────←82 │
80←─────────┘│┌─────────────┐└──────────────────────←80
││ └──────────←82
││西法寺━円明寺ヶ丘━小倉橋
││ ┃ ┃
JR山崎━阪急大山崎━円明寺┿┿━┻小泉橋━阪急西山天王山━友岡━阪急長岡天神━JR長岡京━一文橋━滝ノ町━阪急東向日
││
│└─→82
└─────────────────────────→82
80→─────────────────────────────────────────────────→80
長岡京淀線は、西山天王山駅の開業を受けて新設された系統です。JR長岡京〜落合橋の阪急バスエリアと、洛西浄化センター前〜京阪淀駅の京阪バスエリアを、両社が相互に乗り入れる共同運行路線で、系統番号は90です。
運賃は両社とも同じですが、取扱い可能な乗車券は、以前から両社ともに使用可能だったPiTaPa・ICOCA・京都市域共通回数券・スルッとKANSAI 2day/3dayチケットと、「阪急京阪共通」のハンコが押された定期券を除き、共通化されていません。PiTaPaの利用額割引も、乗車したバス会社それぞれの適用となります。
ちなみに、阪急西山天王山〜京阪淀の道のりは3km強で、両社の駅同士では京阪間両拠点付近を除き最も短く、阪急高槻市〜京阪枚方市の約半分です。2014年2月1日(土)からは、阪急水無瀬〜淀競馬場前の臨時線(京阪バス淀競馬場線)が、阪急西山天王山〜京阪淀駅付近で90系統と同一経路を辿る、阪急西山天王山〜京都競馬場の運転(京阪バス京都競馬場線)に改められました。
JR長岡京━東浦━阪急西山天王山━調子━久貝━落合橋━洛西浄化センター前━大下津━京阪淀駅
90→────────────────────────────────────→90
90←────────────────────────────────────←90
2013年12月21日(土)の90系統新設当初、京阪淀駅バス停はのりば・おりばともに公道上に設置されていました。
平日など競馬開催日以外には、おりばで乗客を全員降ろした後、競馬場正面まで回送されて、転回と時間調整を行ない、北側のりばへと向かっていました。のりば・おりばの写真には、小さくですがそれぞれおりば・のりばも写っています。
土休日など競馬開催日には、競馬場正面は京阪バス臨時線の乗り場となるため乗り入れず、おりばより手前で部分的に広がっていた公道上で転回し、のりばへと直接向かっていました。回送されてきた場合には、競馬開催日以外でもこのように転回する車両もありました。背後には、工事中の駅前広場が見えます。
2014年2月8日(土)に、駅と直結する駅前広場が開設され、京阪淀駅を挟んで北側と南側の2ヵ所に分かれていたのりばがそちらに移設・統合されました。のりばは3ヵ所あり、90系統は3番のりばが割り当てられています。他社局のバスでは、この駅前広場乗り入れに伴って、ルートやダイヤの変更が実施されています。
写真に写っているバスは、向かって右から、京阪淀駅の中央改札口とつながる5番出口に最も近い1番のりばに停車中の京阪シティバス21系統(京阪宇治ゆき)、2番のりばに停車中の京都市交通局20系統(菱川ゆき)、空いているスペースで発車時刻まで待機中の京阪宇治バス(久御山町のってこバス西ルート)、3番のりばに停車中の阪急バス90系統(JR長岡京ゆき)です。
阪急バス長岡京線の路線再編のきっかけとなった西山天王山駅の開業と駅前広場の開設に伴って、付近を経由する系統は全て阪急西山天王山に立ち寄るようになりました。のりばは2ヵ所あり、48系統(新山崎橋ゆき)と90系統(京阪淀駅ゆき)が2番のりばに発着するほかは、1番のりばに発着します。写真に写っている阪急バスが停車している場所が1番のりば、京阪バスが停車している場所が2番のりばです。
また、2014年2月1日(土)より阪急水無瀬発着から阪急西山天王山発着に改められた京阪バス臨時線(京都競馬場線)が、定期路線バスの発着を避けつつ2番のりばから発車します。
1・3系統(友岡〜小倉橋間)
5・6・7・48系統(東浦〜調子間)
80系統(小泉橋→友岡間・友岡→小倉橋間)
82系統(小泉橋→友岡間・友岡→小倉橋間)
90系統(東浦〜調子間)
今回の路線再編では、新たに阪急西山天王山バス停が設置された一方で、廃止・休止や名称変更で消えた停留所もあります。
調子八角交差点付近に4ヵ所設置されていた八角バス停は、すぐ近くに新設された阪急西山天王山バス停に代替されて、廃止されました。京都縦貫自動車道の建設中に付近の道路が何度か付け替えられ、その都度バス停も移動しましたが、写真はいずれも廃止間際のものです。
長岡京市と大山崎町を跨いでかかる小泉橋を挟んで2ヵ所設置されていた小泉橋バス停のうち、JR山崎方面ゆきの停留所が、該当路線の西法寺方面へのルート変更で使われなくなりました。現在は、標柱にカバーがかけられ「休止中」とされています。
前回の路線再編時に、滝ノ町折り返しの路線を設定するにあたって、約300m離れて2ヵ所設置されている滝ノ町バス停のうち、阪急東向日方面ゆきの停留所のみ滝ノ町一丁目に名称変更されていたものが、今回の路線再編で元の名称に戻されました。
西山天王山駅は、阪急京都本線と京都縦貫自動車道との交差地点にあり、両者を利用した公共交通機関同士の結節を図るため、高速バス停「高速長岡京」も設置されました。位置は、長岡京インターチェンジの下り出口料金所直後と上り入口料金所手前の2ヵ所で、いずれも駅前広場とはエレベーターで直結されています。のりばとして下り高速バス停が使用されるのは京都府北部方面へ向かう丹後海陸交通の路線のみで、他の路線は上り高速バス停が使用されます。いずれの路線も、もう一方の高速バス停はおりばとして使用されます。
駅舎の両脇に見える縦長の窓が特徴的な建屋に、駅前広場と高速長岡京バス停を結ぶエレベーターが設置されています。向かって右が上り線、左が下り線です。京都縦貫自動車道の本線を支える柱の陰に隠れている改札口との距離はいずれも数十メートル程度で、乗り継ぎの便は良好です。
長岡京インターチェンジには、京都縦貫自動車道の本線に沿って上下線それぞれに出入口とランプが設置されています。京都市内〜京都府北部方面を結ぶ丹後海陸交通の路線は、京都縦貫自動車道を直進しますが、高速バス停は料金所外にあるため、一旦料金所を出て出口ランプを降り、そのまま進んだ先にある入口ランプから改めて高速道路に入ります。
それ以外の路線は、往路・復路ともに、下り出口を出たのち、上り入口から改めて高速道路に入る経路となっており、そのための方向転換用の設備として、出口ランプを下りて京都縦貫自動車道の側道を約350m進んだところに、高速バス回転広場が設けられています。長岡京インターチェンジの下り入口ランプ直下にあり、左折で進入してきた高速バスが、右へ旋回し、右折で出ることで、今来た道を引き返せるようになっています。
各便の詳しいルートと発着時刻は、高速長岡京 時刻表(その1)でもご覧いただけます。
新駅の開業に伴う系統再編で新系統が設定されたり、あるいは高速バスの乗り入れが開始されたりと、明るい話題も多い一方で、このダイヤ改正で阪急バス長岡京線は全体として減便されており、これまでなら頻繁にバスの発着があった阪急長岡天神やJR長岡京でも、ぽっかり穴の開いたような時間ができるケースが増えました。特に、阪急バス長岡京線で最も利用が多い金ヶ原循環の経路上に新駅が開業したことで、大幅に減便された影響が大きく、存在感が下がっています。
また、減便の影響で減車されているのか、旧型の車両を見かける機会が大幅に減り、相対的にノンステップ車など新型の車両の比率が高まりました。新型車は行先表示がLEDのものが多いため、改正前と比較して方向幕の撮影が大幅に困難になった印象を持ちました。阪急バス京都地区は、他地区からの転属車が多くを占めますが、最近では行先表示がLEDで製造された年式の車両が転属してきており、次回の路線再編時には京都地区でもそれが多数派になっているものと思われます。方向幕のデザイン変更やその記録は今回が最後かもしれません。
西山天王山駅に乗り入れるバスに関しては、まだ改正から日が浅い阪急バスに車両面以外での変化は特にありませんが、以前は阪急水無瀬発着だった京阪バスの臨時線(京都競馬場線)が2014年2月1日(土)から移ってきたり、高速長岡京を経由する高速バスが2014年3月の期間限定で1往復増発、そして2014年4月1日からの西日本JRバス・神姫バスの津山エクスプレス京都号(4往復)の乗り入れが発表されるなど、賑わいを増しつつあります。当初はほとんど見かけなかった高速長岡京での乗降客も、徐々に増えてきてはいるようで、より一層の利用の定着と、乗り入れ路線のさらなる増加が期待されます。
駅前広場にパーク&ライド用として設置された駐車場もほぼ満車の入庫状況の日が増えてきており、西山天王山関連の施設やサービスは、それなりに順調に推移しているように見えます。駅の存在感が増すと、周辺の状況や人の流れが変わっていくでしょうし、金ヶ原口・海印寺・奥海印寺の各バス停付近からは、京都縦貫自動車道の側道を経由すると極めてスムーズに西山天王山駅にアクセスできることから、それを活かした阪急バスの新路線の設定といった、概ね既存の系統の小変更(阪急西山天王山乗り入れ)にとどまった今回よりもう一歩踏み込んだ路線再編の可能性も考えられます。阪急京都線のダイヤの今後の推移との関連も含めて、目が離せないところです。